対談インタビュー『Hand&Foot(ハンド アンド フット)』代表浅原ゆきさん

数万人~数十万人にひとりと言われる、先天性の手足の欠指症に関する情報交換・交流コミュニティSNSを運営する特定非営利活動法人『Hand&Foot(ハンド アンド フット)』。

参加メンバーは、先天性四肢障害,四肢欠損,欠指,裂手,裂足,絞扼輪症候群,短指,巨指症,多指症などの当事者やご家族です。
4年以上活動を続けられている代表の浅原ゆきさんにお話しを伺う機会を頂戴しました。

CARE LAND金澤裕香(以後金澤)今日は貴重なお時間を頂きありがとうございます。
元々私は、浅原さんたちHand&Footさんの活動を、Soarさんの記事をきっかけに知りました。
記事にとても感銘を受けて、是非お話ししてみたいと思っていたので、お声がけ頂いた時はとても嬉しかったです。

Hand&Foot浅原ゆきさん(以降浅原氏)ありがとうございます。
Hand&Footは2013年10月からスタートしました。
手足の指が1本、2本、3本、4本だったり、短かったり、多かったり、無かったり…といった、多くの人とは違うかたちの手足で生まれてきた子どもたち・本人とその家族の情報交換と交流の場としてSNSの運営や交流会を企画しています。

最初は数名だけの小さな活動だったのですが、年々参加者が増え、今では500家族以上の会員が在籍しています。

金澤)すごい規模ですね!
SNSの中では具体的にどういったやり取りが行われているのでしょうか?

浅原)主に日記とコミュニティです。
日記では、日々の悩みだったり愚痴だったり、あとは病院のことなどを皆さん書いてくださいます。
生まれたときにこう思った、つらかった、不安、悲しいという気持ちや、通院する病院についてなど。あとは遺伝のことだったり。

コミュニティでは、住んでいる地域など様々な共通点で繋がって密な交流が生まれています。

金澤)安心して気持ちを吐き出せる場所があると、病気への向き合い方も変わりますよね。
活発なやり取りに日々励まされている方がたくさんいらっしゃると思います。
Hand&Footはどういったきっかけでスタートしたのですか?

浅原氏)スタートは私の個人的なブログでした。
私の娘が右手の指が2本欠損している状態で産まれてきたんです。
産まれた時は指が足りないことに本当にびっくりしてしまって…
実はそのときもう死んだほうがマシ、とまで思いました。すごくショックでした。

その上、子供が産まれた当初「悲しいんだ」「辛いんだ」といった気持ちを言える相手がいませんでした。
周りには悲しんでいるように見られたくなくて、強がっていた部分も大きかったと思います。
その時の気持ちを率直にブログに綴っていました。
そうすると、だんだんコメントがつくようになりました。
「うちも指が1本ないんです」とか、同じ時期に同じような赤ちゃんを出産した方などが集うようになってきたんです。

金澤)そうだったんですね。私もCARE LANDを始める前にブログで病状など、思ったことを更新していたことがありました。たった1行のコメントでも気持ちが軽くなったり。
そういった交流は心の支えになりますよね。

浅原氏)はい、本当に支えられていました。
でもそんな中、娘の手術後の経過についてより具体的な情報が欲しくなりました。
手術したあとに、傷痕が残ります。それが他の子はどんな感じなんだろう、キレイになるのかなと気になって。
当時、皆さん術後の傷の状態をテキストでは共有していたんですけど、実際に写真を共有するとなるとブログにはちょっとやっぱり載せたくないよね。という話になりました。

金澤)誰が見てるか分からない場所では確かに躊躇してしまいますよね。

浅原氏)会員制で、関係のある人しか見られなくて、限定されたところだったら写真の共有だけではなくて、もっと詳しい手術の情報などを交換したりできるんじゃないかなと思ったのがSNSを作ったのがきっかけなんです。

金澤)浅原さんご自身が本当に必要性を感じて始めた活動なんですね。
そのSNSがこれだけの拡がりを見せているのは、他の方にとっても必要な場所だったと思います。

浅原氏)私自身、赤ちゃんが生まれたばかりのときの精神状態は本当に大変だったので、「あのときの自分と同じようなお父さんとお母さんの気持ちが、少しでも軽くなれば」という想いです。
仲間作り・情報共有サポートなどが目的なのは、CARE LANDさんと同じ思いですね。
金澤)浅原さんの利用者の方に寄り添う気持ちがすごく伝わってきます。
CARE LANDはまだまだ始まったばかりなので、実際年月をかけてたくさんのご家族の拠り所となってきたHand&Footさんは、大先輩ですね。

四つ葉のクローバーのように、他の多くとは違うけど、その子自身がずっと大事に持っていられるような絵本の制作

金澤)これからのHand&Footさんの活動についても、お聞かせいただけますか。

浅原氏)今年はまず大きな計画として絵本出版を予定しています。
娘が手のことに悩んでいる時期があって「何で?他にこういう手の子は誰もいないじゃん」と言われて私も泣きそうになってしまいました。
その時にたまたま「四つ葉のクローバーみたいなものじゃないかな。」と話をしたら、納得してくれたみたいで。
四つ葉のクローバーのように、他の多くとは違うけど、その子自身がずっと大事に持っていられるような、何かつらいことがあったときに読んだら元気になれるような本を出したいと思っています。

金澤)四つ葉のクローバーですか。とても素敵な表現ですね。絵本を通して当事者家族だけでなく、教育や地域の方達にも疾患のことを知ってもらって一緒に成長を見守ってもらえたらいいですよね。私も本の発売が楽しみです!

浅原氏)絵本以外の活動としては「手足の欠指症の子供たちと関わる保育者や関係者向けに、情報がもっと欲しい」というご意見に応えられるよう、外向けの発信にも取り組んで行きたいと考えています。
これまでSNS中心に情報交換がされてきましたので、今年Hand&Footでは、そこをもう少し強化できればと思っています。

金澤)CARE LANDもご登録いただいている皆さんの疾患のことやコミュニティの存在を知ってもらうことは今年の大きな目標です。
そして、孤独な気持ちを抱えていたり情報にたどり着きにくい患者さんやその家族にとって有益な場所を作っていきたいと考えています。
ぜひ今回の対談をきっかけに、共同のプロジェクトなども企画できたら嬉しいです。
本日は貴重なお話しをありがとうございました!

Hand&Foot公式サイト  https://www.hand-and-foot.com/

2 Replies to “対談インタビュー『Hand&Foot(ハンド アンド フット)』代表浅原ゆきさん”

  1. こんにちは。Hand&Footのnatsuパパです。

    この度は当代表との対談記事を2週に渡って掲載していただき、誠にありがとうございます!
    私自身CARE LANDさんに参加させていただき、障がい・疾患の種別や重さは違えど、当事者やご家族の悩み想いは共通している、と実感しております。
    是非今後とも交流・連携させていただきたく思います。

    また同じ想いで活動されている方々、団体さんと繋がりネットワークを構築する事で、情報を求め彷徨っている方々のセーフティネットにもなれると考えております。
    ご提案されている『有益な場所作り』、安心して暮らせる社会作り、是非ご協力させてください。
    今後ともよろしくお願い致します。

    • natsuパパさん

      こちらこそ、素晴らしい企画をご一緒させて頂きありがとうございました。
      私自身も学ぶことの多い時間でした。

      CARE LANDは本当に様々な方にご利用いただいています。
      利用者の方がより有益な情報が得られるよう、多様な団体様と繋がっていきたいと考えております。

      どうぞ今後とも末長いお付き合いどうぞよろしくお願いいたします。

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